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EcoVadisでゴールド獲得!ファイントゥデイが推進するサステナビリティ経営とは?

「世界中の誰もが、素晴らしい一日を紡ぎ、いつまでも美しく、豊かな人生を送れるようにすること」というパーパス(存在意義)のもと、事業活動と両輪でESGの推進に取り組むファイントゥデイ。2023年9月、フランスのEcoVadis社が実施する国際的なサステナビリティ評価において、世界10万社を超える評価対象企業の上位5%にあたる「ゴールド」を獲得しました。創業わずか2年余りのスタートアップがゴールドを獲得するのは、世界的に見てもめずらしいことです。サステナビリティ本部長としてESGの推進を指揮する藤崎執行役員に、ファイントゥデイのサステナビリティ経営について聞きました。

【プロフィール】藤崎 壮吾
株式会社ファイントゥデイ 執行役員 サステナビリティ本部長
1992年富士通入社。アジアを中心とした通信インフラの商談支援に従事し、その後、民間主導のグローバルなサステナビリティやテクノロジーの政策提言などに携わる。2010年に同社初となるサステナビリティ推進組織を立ち上げ、世界的な社会的責任投資(SRI)指標であるDJSI World Indexのソフトウェア&サービス部門で世界1位を獲得するなど実績多数。2022年1月にファイントゥデイへ入社し、サステナビリティ本部を立ち上げ。パーパス主導による事業とESGの両輪経営を推進する。


EcoVadisとは?

ゴールド獲得おめでとうございます!まずはEcoVadisについて教えてください。

藤崎:
EcoVadis(エコバディス)は、世界最大のプラットフォームを用いてサステナビリティ評価を行う会社です。「環境」、「労働と人権」、「倫理(コンプライアンス)」、「持続可能な資材調達」の4項目を専門家が分析し、上位企業をプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズのメダルで評価しています。これまで世界175カ国、200業種で、10万社以上の評価が行われ、多くの企業が取引先の選定において評価結果を参照するほど信頼性の高い評価システムです。

ゴールド獲得はどれほどすごいことなのでしょうか?

藤崎:ファイントゥデイは2022年にEcoVadisに初挑戦し、上位25%に入るシルバーを、2023年度の調査では上位5%にあたるゴールドを獲得しました。株主であるCVCキャピタル・パートナーズはアジア地域で数十社に投資していますが、EcoVadisへの初挑戦でシルバーを獲得したのは当社が初めてだったそうです。さらに上位のゴールドを創業3年目のスタートアップが獲得するというのは、世界を見渡してもめずらしいことだと思います。

当社グループのどのような取組みが、高評価につながったのですか?

藤崎:1つは環境分野です。資生堂から久喜工場(現:ファイントゥデイインダストリーズ)を取得したことにより、サステナビリティ先進企業のもとで培われた主に環境に関する質の高い取組みをファイントゥデイが受け継ぎ、発展しようとする努力が評価されたと考えています。
また、各部門のさまざまな取組みをまとめ、当社初の公式年次報告書としてサステナビリティレポートを発行したことも高評価を後押ししたと思います。これは、全社横断的な執筆協力者や、当本部でレポート作成を主導した担当者の想いの結晶であり、そのイチガンとなった努力自体にゴールドメダルを超えた価値があります。皆さんに心から敬意を表します。

サステナビリティレポートの発行を担当した社員の声
ESG評価は抽象的な設問が多く、そのまま担当部門に共有すると「どのように回答すれば良いのだろう?」と皆さんが戸惑ってしまうと思いました。そこで、社内のあらゆる資料やツールから情報を集めて原稿の枠組みを作成し、担当部門にはその内容について意見をもらう方法を採りました。当社にとって初のレポート作成だったため、一から原稿を起こすのは本当に大変でしたが、部門の負担を軽減しながら、EcoVadisの回答証憑として通用するレポートを短期間で発行することができました。

企業がなぜ、サステナビリティに取り組むのか

そもそも、なぜ企業がサステナビリティに取り組まなければならないのでしょうか?

藤崎:サステナビリティ経営とは、地球や社会の持続的な発展を起点にビジネスの成長を両立させることです。2020年には世界人口の約6割がサステナビリティへの意識が高いミレニアル世代以降になりました。経済活動の重心が変化し、サステナビリティへの配慮は単なる道徳やお付き合いではなく、対応必須のニューノーマルに変わっています。
サステナビリティを取り巻く国際的なプレッシャーは年々強くなり、いち早く動いて変化に適応できる企業だけが生き残ることになると思います。反対に利益だけを追求する企業は、ニューノーマルの時代にお客さまや社員、取引先、株主などあらゆるステークホルダーから見放され、事業に必要なヒト・モノ・カネのリソースを得られず、企業価値を高めることはできません。

なるほど。サステナビリティに政府だけでなく企業も積極的に取り組まなければいけないのですね。

藤崎:グローバル経済における企業の影響度が大きくなっていることが背景にあります。例えば、スタートアップである当社の売上も、ブータンやドミニカの国内総生産額*を上回っています。一国に匹敵する規模で事業を行うことは、それだけ電気や原材料や水を使い、二酸化炭素を排出して地球に負荷をかけるということ。企業は社会に存在する以上、ビジネスを通じて社会に価値を還元する責任があるのです。

*IMF「World Economic Outlook (April 2023) - GDP, current prices」より

100年続く企業へ。ファイントゥデイのサステナビリティ経営

藤崎さんは大企業でサステナビリティを推進されていましたが、なぜ創業したばかりのファイントゥデイに入社されたのですか?

藤崎:前職では10年以上サステナビリティに携わり、数十人規模の組織を束ねていました。DJSI World Indexの世界最多選出や、WBCSD(持続可能な開発のための世界ビジネス会議)の実務代表を長年務めるなど、大企業でやりつくした達成感があり、手触り感をもって業務を推進することが少なくなったことが、新たな挑戦に目を向けたきっかけでした。
当時からユニリーバやネスレなど欧州のBtoC企業が世界のサステナビリティをリードし、その先進性に驚かされていました。大企業は組織も仕組みも完成されているので、ファイントゥデイのようなBtoCのスタートアップで、サステナビリティを起点としてゼロからビジネスを立ち上げることに魅力を感じ、入社しました。

組織の立ち上げからEcoVadisでゴールドを獲得するまでの道のりを教えてください。

藤崎:2022年1月に入社し、2名でサステナビリティ本部を立ち上げました。組織づくりと並行して企業パーパスや中長期ビジョン「Fine Today & Tomorrow 2023」を策定。加えて、人権方針など規程類の整備、TCFDレポートやサステナビリティレポートを発行して対外的な情報開示も行う怒涛の日々でした。

ものすごいスピード感ですね…

藤崎:大企業では数十名で取り組んでいた仕事を1-2名でこなすことも日常です。スピードに圧倒されることもありますが、大企業では数年かかる重要事項の推進を短期間に少人数で実践する舵取りは、コンパクトな当社ならではの醍醐味です。
一方で、スタートアップにおけるサステナビリティ活動には ”Why” がなければ通用しません。それは事業より優先することなのか?今、お金をかけてやる必要があるのか?常に問われ、それに本質的に応えていく必要があります。

そのような環境のなか、経営陣や他部門とどのように連携されたのでしょうか?

藤崎:社長を委員長とするESG委員会を定期的に開催し、全執行役員が議論に参加しています。会社全体でサステナビリティへの理解が深まり、国連グローバルコンパクトへの署名や、SBT(温室効果ガス排出削減⽬標)、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)、RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)などの国際イニシアチブへの早期賛同が実現できました。また、これらに則った活動をサステナビリティレポートに取りまとめたことがEcoVadisの高評価にもつながっています。
最も重要なのは、サステナビリティを他人事ではなく自分事として認識してもらうための体験を増やすことです。例えば、ESGにおける重要課題(マテリアリティ)の検討を全経営層の参加で行い、パーパスの実現に必要な価値観(バリュー)をボトムアップ的に社員主導で検討するなど、全社一体となった活動を心がけています。また、国内・海外の全拠点をオンラインでつないだ創業2周年の記念イベントでサステナビリティやESGに関するセッションを設け、日頃の業務がどう社会価値につながっているのかを再認識する場としました。

地道な活動の積み重ねが、今回のゴールド獲得につながったのですね。最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

藤崎:サステナビリティは、地球の制約に基づいて企業の在り方を変革していくことです。創業期からビッグベンチャーに関わる一人として、100年を超えて繁栄する企業の礎を社内外のステークホルダーと築きたいと思います。
現在のニューノーマルも数十年で変わっていきます。私たちにとって変わらないものは何か?それはファイントゥデイの存在意義であるパーパスです。パーパスの実現に向け、事業利益をスケール化して再投資し、同時にESGの推進も追求していくという両輪の仕組みをグループイチガンとなって進めていきます。

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関連リンク:ファイントゥデイホールディングスのサステナビリティレポート

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