finoが提案する新しい社会貢献のカタチ~”360°”医療用ウィッグを通じてつなげる想い~
「まるで美しさが生まれ変わるような体験を」というブランドの想いのもと、インバス・アウトバストリートメントを通して“#とぅる髪”へと導くヘアケアブランド「fino(フィーノ)」。
2022年4月、医療用ウィッグが必要な方の手に届くまで、ヘアドネーションという枠を超えてウィッグを取り巻くすべての方々をつなぎ、想いを見える化するプログラム「HAIR TOUCH YOU のばせば届く。」を開始しました。
今回、プログラムを率いる日本事業本部 ブランドPRマネージャー 赤阪と、同本部 アシスタントブランドマネージャー 小路に、プログラムに込める想いを聞きました。
「HAIR TOUCH YOU のばせば届く。」に込めた想い
―まず、このプログラムの概要を教えてください。
赤阪:finoは2004年のブランド誕生以来、多くのお客さまに支えていただき成長してきたヘアケアブランドです。そんなfinoだからこそできる社会貢献活動の形を模索する中でたどり着いたのが、髪を寄付するというヘアドネーションの枠を超えた「医療用ウィッグ」に関する取組みです。
「医療用ウィッグを取り巻くすべての方の想いをfinoがつなぐ」という志のもと、ヘアドネーションをした方、医療用ウィッグを受け取る方、美容師、医療従事者といったすべての関係者の想いをつないでいくことを目指しています。2022年4月に始動し、現在はNPO法人や学生団体など、同じ志を持つ団体とも協力しながら展開しています。まずは、医療用ウィッグに関して認識を深めていただくとともに、具体的なアクションにつながるような取組みを展開しています。
―なぜfinoがこのようなプログラムを始めたのですか?
小路:finoは、ブランドに込めた想いとして「まるで美しさが生まれ変わるような体験」を掲げています。これは、髪の有無や性別などに関わらず、すべての方に対しての想いです。
そのような想いを持って議論を重ねる中で、アピアランスケア(がんをはじめとするさまざまな病気や治療の影響による、外見への変化に対するケア)を必要とする方に重要な役割を果たす医療用ウィッグに着目しました。
実は学生時代にがん治療について学んでいたのですが、現在では、治療技術が進歩する中で、患者さんにとってより辛いことは、治療やそれに伴う痛みよりも、外見の変化など社会性に関連する事柄であると知りました。社会と関わりを持ちながら治療する多くのがん患者の方をはじめ、無毛症などさまざまな要因で外見の変化を経験されている方に対して、ヘアケアに特化したブランドであるfinoだからこそ可能な貢献があるのではないかと考えました。
―finoだからこそ取り組める社会課題が見えてきたわけですね。
小路:そうですね。そういった社会課題に対し、お手伝いできることがあるのではないかと感じました。また調べていくうちに、ヘアドネーション用のカットに対応している美容室がまだ少なかったり、黒髪でないと寄付ができないという誤解*が根強く残っていたりと、我々も知らなかった要素が見えてきました。ヘアケアブランドとして多くのお客さまに関わってきたfinoだからこそ、医療用ウィッグ、そしてヘアドネーションについて「正しく知る」ことから始める貢献もあるのではないかと感じました。
*当プログラムのヘアドネーションには、長さが31cm以上であれば、グレーヘアやカラーリング・ブリーチした髪、くせ毛など、どのような髪の状態の方でも、また年齢や性別も問うことなくご参加いただけます。
―社内ではどのようにスタートしたのですか?
赤阪:ファイントゥデイには、自部署の担当業務だけにとらわれず、部門の垣根を超えて活発にアイデアを出し合い、それを積極的に採用するという文化があります。このプログラムも、実は当時入社2年目の小路さんが出したアイデアに、営業や調査など他部門の社員も賛同し、一緒に議論して立ち上げたという経緯があります。
―プログラムを立ち上げる中で、こだわった点はありますか?
小路:一過性で終わるものではなく、ずっと続くものにしたいという思いで取り組みました。
立ち上げに際し多方面の関係者にお話を聞いたところ、寄付した髪がどのように活用されているか知りたいという声が多かったんです。その様子を知ることができれば、社会貢献への実感も高まるでしょうし、ヘアドネーションを初めて知ったという方もイメージしやすくなり、チャレンジしてみようと思うきっかけになると感じました。
赤阪:微力ながらも社会を変えていくための第一歩として、「正しく知ること」のきっかけづくりができるといいなと思っています。
私たちは、このプログラムを「360°つながる医療用ウィッグプログラム」と表現しています。「360°」は、医療用ウィッグを受け取る方・提供する方、ヘアドネーションカットをサポートする方、髪を寄付する方、さらにfinoを応援してくださる方も含めたひとつの輪を表しています。
この輪の中にいらっしゃる皆さまにも、実は身近でも利用されているかもしれない医療用ウィッグの現状を正しく知っていただきたいと思っています。それは多くの人に対し美の選択肢を増やすことになると感じています。
―プログラムの立上げの際に、苦労した点はありますか?
赤阪:立上げにあたってはたくさんの方の話を聞き、現場を訪れて学びを蓄えたものの、いざ始動してみると、次から次に知らなかったことが出てきて驚きの連続でした。プログラムを進めながら、我々も皆さんと一緒に新たに学んでいった感じですね。
一方で社内では多くの社員から応援をもらい、アイデアが出てからわずか半年あまりで実現にこぎつけることができました。
ずっと続く取組みに。これまでの取組みとこれからへの想い
―これまでの具体的な取組みを簡単に教えてください。
赤阪:2022年4月の始動後、1年目は土台固めとして仕組みを整えました。例えば、ヘアドネーションを募り、寄付された髪を医療用ウィッグ製作のために支援団体へ提供する取組みである「fino ウィッグBank」の立上げや、ドネーションをより身近で心地よい体験とするための「finoオリジナルドネーションキット」の配布などですね。
現在プログラムは2年目に入り、これまでの取組みに加え、医療用ウィッグやそのためにできるアクションなどをより身近に感じ、知ってもらうきっかけになるようなキャンペーン「#髪からはじめるちょっといいこと」をスタートさせました。
X(旧Twitter)でのキャンペーンに加え、体験型のイベントも開催しており、皮切りとして8月には、楽しみながら学んで体感できるような、親子参加型のワークショップを開催しました。
―これまでの取組みに対する反応はどうですか?
小路:ありがたいことに「fino ウィッグBank」には多くの寄付をいただいていますし、SNSでもポジティブな反応が増えてきています。中には、キットを使う様子をアップしてくださった方もいらっしゃいます。
少しずつではありますが、我々の想いに共感していただいている方が増えている実感があって、やりがいを感じています。
―今後、どのようなことに取り組んでいきたいですか?
赤阪:例えば医療用ウィッグを使用している方の中には、ロングヘアの需要が多くあります。ただ現状ではロングの医療用ウィッグを作るのに必要な長さの髪のドネーションは十分ではなく、その点なども含めて、現状の発信とともにアクションにつなげていけるような施策を行いたいと思っています。
美の基準は人それぞれですし、価値観も時代とともに変化しますので、押しつけではなく、皆さんの能動的なアクションを後押しするような取組みに育てていきたいと思っています。
医療用ウィッグを「使用する・しない」のように、個人個人の美の基準に基づいて選択肢を持てることが重要だと感じていますし、それはファイントゥデイのパーパスでもある「世界中の誰もが、素晴らしい一日を紡ぎ、いつまでも美しく、豊かな人生を送れるようにすること」の実現につながると信じています。
小路:これからも、finoというブランドを起点に、私も参加できるかも!と思ってもらえるような取組みを継続し、気軽に行える社会貢献としてさらに共感の輪を広げていきたいです。そして、必要とされている方へ多様な美の選択肢をお届けできれば嬉しいですね。
2023年8月22日、「#髪からはじめるちょっといいこと」キャンペーンの一環として、10組の小学生の親子を対象に、ヘアドネーションと医療用ウィッグを学ぶ参加型ワークショップを開催しました。
そちらの体験レポートも掲載していますので、ぜひご覧ください。
関連リンク:「HAIR TOUCH YOU のばせば届く。」 公式サイト
関連リンク:finoブランドサイト