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ストップ気候変動!温室効果ガス削減に取り組む、環境グループのお仕事

いま、世界で気候変動による異常気象や自然災害が相次いでいます。2023年は、日本で平均気温が1898年の統計開始から最高記録を更新*。世界各地で、森林火災や暴風雨、洪水、干ばつが発生しました。
皆さんの毎日を美しく、豊かにするための日用美品を生産するファイントゥデイも、事業活動の中でたくさんの水やエネルギーを使っています。
そこで2023年1月、環境負荷を削減するための活動を強力に推進するため、サステナビリティ本部に環境グループが新設されました。
気候変動対策に取り組む趙マネージャーに、環境グループのお仕事について聞きました。
 
*2023年の平均気温が、2020年までの30年間の平均である平年値を1.29度上回り、1898年の統計開始から最高記録を更新(2024年1月4日 気象庁発表)


【プロフィール】 趙 浩(ちょう こう) 
サステナビリティ本部 環境G マネージャー
中国出身。2013年に来日し、大手総合酒類飲料メーカーに入社。工場にて生産設備の設計やオペレーション改善の業務を経て、サステナビリティ戦略/推進部に所属し、企業における温室効果ガスの排出削減や水資源の有効利用等の環境業務に携わる。コンサルティングファームに転職し、さまざまな企業のサステナビリティ経営を支援。2023年にファイントゥデイに入社し、気候変動対策を推進する。

環境グループのお仕事


―まずは、趙さんがサステナビリティに携わることになったきっかけを教えてください。

 
趙:中国の大学を卒業後、来日して飲料メーカーに入社しました。エンジニアとしてビールの生産工場で生産ラインやオペレーションの設計・改善に従事した後、サステナビリティ戦略/推進部に異動したのが、サステナビリティとの出会いです。
エンジニア時代は担当する工場の生産に集中していましたが、サステナビリティは全社的な取組みなので視野が広がり、会社を良くすることが社会を良くすることにもつながる、社会的な貢献度の高さに魅力を感じました。

―その後コンサルティングファームを経て、ファイントゥデイに入社されました。
 
趙:サステナビリティ分野で専門性を高めたいと思い、飲料メーカーからコンサルティングファームに転職しました。そこで、環境分野、特に気候変動対応や技術によるカーボンニュートラル社会の実現に関するプロジェクトに携わり、さまざまな企業のサステナビリティ経営を支援しました。コンサルタントとして培った経験を活かし、リアルな事業現場でサステナビリティを実現したいという思いで、ファイントゥデイに入社しました。
ファイントゥデイは創業3年目のスタートアップ。会社の成長そのものに貢献できることに加え、ゼロから環境戦略の構築に携わることができ、とてもチャレンジングな仕事で面白いです。

―環境グループはどのようなお仕事をしているのですか?
 
趙:環境グループは、「世界中の誰もが、素晴らしい一日を紡ぎ、いつまでも美しく、豊かな人生を送れるようにすること」 というパーパスのもと、環境負荷を減らすための環境関連活動の戦略を設計・実行しています。
大きく二つの軸で活動しており、一つ目は「自社の事業活動がアクセスできるもの」です。例えば、私たちはお客さまにお届けする製品を生産する中で、環境に負荷をかけながら水やエネルギーなどの自然資源を使っています。どうすれば事業活動に使用する自然資源の量を削減できるか?を、使用者として、製品の提供者として、考える責任があります。
二つ目は、「自社の事業活動がアクセスしにくいもの」です。例えば、海岸の清掃や植林など、社会のみんなで使っている自然環境をより良くするための活動ですね。
現在はこの2軸で活動していますが、将来的には製品の環境価値を高めることで、事業が大きくなるにつれて環境にもより良い影響を与えられる企業となり、地球環境全体の改善に貢献したいと考えています。

―全社で環境負荷の削減を進めるため、2024年1月にSBT認定を取得されたのですね。
 
趙:はい。ファイントゥデイが掲げる温室効果ガスの削減目標が、科学的な根拠に裏付けられたものであり、確実に気候変動に貢献できる取組みだと国際機関から認められました。会社として温室効果ガス排出量を算定するため、多くの部門の皆さんに協力いただきながら、燃料や電気の使用量、購買や物流、販売データなど、さまざまなデータを収集しました。
認定は千里の道の第一歩。今はあくまでも目標が適切であると認められただけで、これからが本当のチャレンジです。2030年の目標達成に向けて、海外の工場も含めたグループ全体の削減計画を作成するとともに、削減活動を推進していきます。

SBTとは?
SBT(Science Based Targets initiative)は、CDP(気候変動対策に関する情報開示を推進する機関投資家の連合体)、UNGC(国連グローバル・コンパクト)、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)が共同で運営する国際的なイニシアチブ。パリ協定で合意された目標の達成に向け、企業に対して科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出量削減目標を設定することを推進し、審査・認定を行う。

シール台紙を燃料に?!サステナブルな地球環境を目指して


―環境負荷の削減は壮大なテーマですが、私たちの生活に身近な取組みはありますか?

 趙:例えば、私たちは今、容器包装のサステナブル化やプラスチック廃棄物の再利用にも取り組んでいます。
家庭から出るごみ(一般廃棄物)のうち、容器包装廃棄物は約6割を占めており、そのうち約半数がプラスチックです。*
プラスチックごみは、焼却に伴う温室効果ガスの排出はもちろん、海洋流出による生態系の破壊にもつながります。そこで当社は、容器包装開発の社内ガイドラインを作成し、全社横断で再生や再利用が可能な素材の使用を進めています。
新ヘアケアブランド「+tmr(プラストゥモロー)」の容器にはリサイクルPETが使用されており、ブランドコンセプトの一部として企画段階から素材を検討したんですよ。

*出典:環境省 容器包装廃棄物の使用・排出実態調査(令和4年度調査)

本体ボトルの約66%にリサイクルPETを使用した、+tmrのシャンプー&トリートメント

趙:また、埼玉県久喜市にある工場「ファイントゥデイインダストリーズ」では、生産時に発生するシール台紙の一部をRPF(Refuse derived Paper & Plastic densified Fuel)にしています。RPFは再生可能エネルギーの一つで、廃棄物を混合して小さく固めて燃料にしたもの。プラスチック廃棄物をRPFにすることで、化石燃料の利用を削減するとともに、石油依存への脱却に貢献できると考えています。また、燃料利用に留まらず、再生紙などにリサイクルする方法についても検討が進められています。

製品ポップに使用するシールの台紙を、廃棄せず固形燃料に!
(RPF画像:株式会社 関商店 コーポレートサイトから引用)

―多方面でサステナビリティに取り組まれているのですね。最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。
 
趙:これからもファイントゥデイは、事業活動における温室効果ガスを削減することはもちろん、原料の調達や販売店への輸送など、サプライチェーン全体で温室効果ガスの削減に取り組んでいきます。
サステナブルな社会の実現は、企業の力だけでは難しい。作る側と使う側、社会のみんなで取り組むものだと思っています。例えば、使用済みのプラスチック容器を正しく分別して廃棄することで、プラスチックのリサイクルが促進されます。パッケージの小さな傷を理由に企業が自主的に廃棄している食品や日用品を販売できれば、焼却にかかる温室効果ガスが削減されます。
作る側も使う側も、良い意味で寛容になることで、サステナビリティをもう一段進めることができるはず。ファイントゥデイは創業したばかりのスタートアップですが、これからも全社をあげて気候変動対策に取り組んでいきます。一緒に頑張りましょう!

趙さんってどんな人?後輩に聞いてみた!
サステナビリティ本部 環境G 中村さん
環境分野の豊富な知見はもちろん、プロジェクトにおける目標や課題の設定、スケジュール管理など、趙さんの体系的な仕事の進め方がとても勉強になります。初めて環境業務を経験する私に、考えを整理するための質問をしてくれたり、スキルを習得できる環境をつくってくれています。プライベートでは2児のパパ。育児と仕事を両立するパワフルな趙さんと、一緒に仕事ができて光栄です!


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