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2足のわらじでトップを目指す。当社所属パラアスリート 浦辰大選手の挑戦

ファイントゥデイでは、「世界中の誰もが、素晴らしい一日を紡ぎ、いつまでも美しく、豊かな人生を送れるようにすること」というパーパス(わたしたちの存在意義)に基づき、性別や年齢、国籍、障がいの有無等に関わらず、すべての人々を尊重し、相互に関係性を深めること=ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を大切にしています。
そうした中、多様なバックグラウンドを持つ人財が活躍しているファイントゥデイには、昨年から、障がい者スポーツの世界で活躍するパラアスリート社員が所属しています。
このたび、当社人事本部に所属し、CPサッカーと、パラ陸上の2足のわらじを履いて世界で活躍している浦辰大選手が、11月にオーストラリアで開催されるCPサッカーの国際大会に出場します。大会を前に、競技との出会いや葛藤、ファイントゥデイへの想い、そして今大会への意気込みを聞きました。

【プロフィール】浦 辰大
パラアスリート社員
2022年8月ファイントゥデイ入社。

<主な大会成績>
■CPサッカー
所属クラブ (ESPERANZA)
2015〜2017年 CPサッカー全日本選手権 優勝
2019年・2022年・2023年CPサッカー全日本選手権優勝
個人
2017年 CPサッカー全日本選手権MVP
2018年 CPサッカー全日本選手権 準優勝
2022年 CPサッカー全日本選手権MVP
上記の他、2013年より数多くの国際大会にも出場し、メダルや大会得点王のタイトルを獲得。

■パラ陸上
2020年 関東パラ陸上競技選手権大会 400m走・1500m走 2位
2022年・2023年
ジャパンパラ陸上競技大会1500m走 2位
日本パラ陸上競技選手権大会1500m走 2位


CPサッカーとは?
CPサッカーは、脳性まひ選手のために考案された7人制サッカーです。
フィールドが少し小さい、オフサイドルールがない、両手で上からのスローインができない選手のために片手で下から投げるスローインが認められている、など細かな違いはあるものの、11人制サッカーとほぼ同じルールで行われます。
CPサッカーは、1982年に初の世界選手権大会が開催され、1984年のニューヨークパラ五輪で初めて正式種目となりました。その後2016年のリオデジャネイロパラ五輪まで正式種目として名を連ね、競技国数は年々増加しています。
現在は正式種目からは外れてしまったものの、地域ごとの選手権に加え世界選手権も開催されるなど、世界的に盛んに行われています。

CPサッカーとの出会い

まず、サッカーを始めたきっかけを教えてください。

浦:僕は出生時に脳の血管が詰まってしまった影響で左半身に麻痺が残っているため、幼少期から小学校低学年までリハビリに通っていました。
小学校3年生になると、1歳年下の弟と一緒に健常者のチームでサッカーを始めました。
元々テレビで日本代表の試合を観ることは好きでしたし、リハビリ中にスポンジのボールを蹴ることも楽しかったので、いつか本物のボールでプレーしてみたいなと憧れていたんです。

小学生時代の浦さん(右)と弟さん

念願のサッカーを始めてみて、いかがでしたか?

浦:始めたばかりの頃はとにかく楽しかったです。
ただ、同じタイミングで始めた弟がどんどん上手くなっていく一方で、僕は同じように練習をしても、左足の麻痺の影響で、片足立ちでバランスを取ることが難しく、なかなか上達しないことが悔しかったです。
さらに、学年が上がるにつれて、周りのプレー速度も上がり、次第にスピードについていけなくなっていきました。

そういった環境の中で、浦さんはどういう風に努力されたんですか?

浦:早朝、深夜と、とにかく練習しました。
小学校5年生の頃、試合に出るにはリフティング100回達成が条件と言われたことがありました。なんとしてもメンバーに入りたかったのと、弟との差を少しでも埋めたくて、メンバー発表までの2か月間に必死で練習しました。
そうすると、15回から120回まで記録を伸ばすことができ、試合のメンバーにも選ばれました。
この経験は、とても大きな自信に繋がりました。
ただ一方で、このままの実力では、幼少期から憧れてきた日本代表選手にはなれないと感じており、つらい気持ちもありました。その思いが大きくなってきて、次第にサッカーを続けることが苦しくなり、辞めたいと感じるようにまでなったこともありました。

浦さんにもサッカーを辞めたいと思う時期があったのですね。では、どういうきっかけでCPサッカーを始めたんですか?

浦:母に勧められたことがきっかけです。
その頃健常者と一緒にプレーできていた自負もあり、障がい者スポーツについては、無意識に、つまらないんじゃないかと思っていた部分もありました。
そんな中、父と一緒に旅行のついでに訪れたCPサッカーの全日本選手権を見て、考えがガラッと変わりました。
日常生活では杖をつかないと歩けないような選手が、試合では転びそうになりながらも全力で走っている姿や、一つひとつのゴールに大きく喜んでいる姿がとても眩しく、この競技で日本代表選手になりたいと思うきっかけとなりました。

浦さんが思うCPサッカーの面白さを教えてください。

浦:サッカーの楽しさは障がい者でも健常者でも変わりません。しかし、CPサッカーでは、一人ひとりの障がいを理解して、より綿密にコミュニケーションを取る必要があります。短いパス1本出すにも、受け手の選手によって異なる障がいの状況を踏まえた球質、蹴る位置など、細かい思いやりを込めています。そのため、そういったプレーが積み重なった結果としてのゴールが選手にもたらす喜びは非常に大きいのだと思います。

ファイントゥデイへの想い

では、ファイントゥデイに入社したきっかけを教えてください。

浦:パーソナルケアブランドとしてアジアのトップを目指すというファイントゥデイの目標に、サッカーでも陸上でもアジアのトップを目指すという自分の目標が重なり、非常に共感を覚えたことが入社したいと思ったきっかけです。
僕は2021年7月に、CPサッカーと並行してパラ陸上を本格的に始めたのですが、ファイントゥデイがビジネスを開始したのも2021年7月で、お互い同時期に新たな挑戦に踏み出した、という点も繋がりを感じましたね。
会社と同じような志を持っているからこそ、自分のチャレンジを同僚に見てほしい、努力や熱い想いが伝わって欲しい、自分の成し遂げていく過程をみんなと共有したいと感じています。

社内SNSでの発信や、サークル活動などでも他の社員の方々と交流しているとのことですが、どのような思いで活動していますか?

浦:現在、自分が想像していた以上に同僚たちが応援してくれていて、交流を通じて、同僚のためにも結果を残したいという気持ちが、日に日に大きくなっています。
それと同時に、応援されるに相応しい人でありたいという責任感も生まれました。お互いに良い影響を与え合っているのではないかと思っています。

今後の挑戦について

CPサッカー選手とパラ陸上選手の2足のわらじで活躍する浦さんですが、今後の挑戦についても教えてください。

浦:僕がパラ陸上を始めたきっかけは、CPサッカーをもっと広めたいという想いがあったからでした。
パラスポーツの中でもメジャーである陸上で良い成績を出すことで、メディアで名前が取り上げられる際に、CPサッカー選手でもあることが報じられれば、同時にCPサッカーの競技としての知名度が上がるのではないかと思ったんです。
幸いにも、陸上競技で得た走り方の工夫をサッカーでも生かすことができていて、両立したことで相乗効果を得ることができています。自身の強みとしてこれからも両立を続けていきたいと思っています。

もう既に3足目のわらじも考えていると伺いましたが…(笑)

浦:はい、トライアスロンに挑戦しようかなと思っています!

今後は3競技で世界を目指すのですね!その挑戦心はどこから来るのですか?

浦:常々、誰もやったことをないことをやってみたいと思っているんです。でもやっぱり応援してくれる人たちがいるからですね。ファイントゥデイの同僚たちの存在は大きいです。

最後にオーストラリアで開催されるCPサッカーの国際大会への意気込みを教えてください。

浦:直近の国際大会ではDFとして出場しながらも、5試合で合計8得点を決め、大会得点王のタイトルを獲得できました。その経験から、もっとゴールに関わり、チームの勝利に貢献したいと思い、志願して今大会ではFWになりました。
今大会でもチームを勝利に導き、大会得点王ももちろん狙います!

本日はありがとうございました。ファイントゥデイを代表して世界と戦う浦さんの活躍、期待しています!

【インタビューを終えて】

いつも前向きで、話しているこちらまで明るい気持ちにさせてくれる浦選手。過去の困難な時期も自分なりに分析し、ポジティブな成長につなげてきたことが伝わってきました。
ファイントゥデイとともにアジア、そして世界を目指す姿は、我々社員にも大きな勇気を与えてくれそうです。
冒頭でもお伝えしたとおり、ファイントゥデイのパーパスは、「世界中の誰もが、素晴らしい一日を紡ぎ、いつまでも美しく、豊かな人生を送れるようにすること」というもの。浦さんの絶えず努力する姿は、スポーツの面からパーパスを体現しているように感じました。
ファイントゥデイはこれからも、「誰もが美しく豊かな人生を送れる」よう、多様な社員とともに新たな価値創造を目指していきます。

今後もnoteにてファイントゥデイグループの多様な社員を紹介していきますので、どうぞご期待ください!