見出し画像

わずか3年で整えた高水準な経営基盤。社員とともにさらなる飛躍を目指す【トップインタビュー】

2024年7月、資生堂からパーソナルケア事業を引き継いで誕生したファイントゥデイは、創業3周年を迎えました。そこで、経営陣がグループのこれまでの歩みを振り返りながら、ファイントゥデイが目指す未来とそれぞれの想いにフォーカスするトップインタビュー連載をスタートしました。
最終回となる第5回は取締役 副社長執行役員CFO 経営管理本部長の須原さん。コーポレート機能をゼロから立ち上げ、現在に至るまでの軌跡や、ともに歩んできた社員への想いなどについて聞きました。


【プロフィール】須原 伸太郎(すはら しんたろう)
株式会社ファイントゥデイホールディングス取締役CFO 兼 株式会社ファイントゥデイ 取締役 副社長執行役員CFO 経営管理本部長
1992年、大学在学中に公認会計士試験に合格。1993年、有限責任監査法人トーマツに入社。1999年に(株)エスネットワークスを創業。以降、財務・会計の専門知識を武器に、多くの会社の経営をハンズオンで支援。2021年のファイントゥデイ資生堂(現 ファイントゥデイ)の創業時にCFOに就任し、コーポレート機能の立ち上げとその後のマネジメントをリードしている。
一番の趣味は「考えること」。物事を構造的に捉えることが好きで、その範囲は経営だけではなく、ファッションから好きなお笑い芸人のネタの構造にまで及ぶ。

ゼロからコーポレート機能を立ち上げ、会社の基盤を整備


―はじめに、CFO 経営管理本部長として創業から3年の歩みを教えてください。

 
須原:ファイントゥデイは2021年7月に資生堂からパーソナルケア事業を引き継ぎ創業しました。
創業時のメンバーは、営業・マーケティング部門のメンバーが中心だったので、コーポレート機能をほとんど備えていない状態での創業でした。
 
そのため、創業の準備を始めた段階から、財務、経理、法務、人事、内部監査といった経営に欠かせない機能を担う人材の採用が急務であり、自ら面接しながら体制を整えていきました。
しかし初年度は、1,000億円規模のビジネスを経営するにはやはり人員が足りず、外部のリソースを活用しながら、何とか乗り切ったという感じでしたね。
その後、さまざまな専門性を持った人財がジョインしてくれて、徐々に体制を充実させながら、高い水準のコーポレート機能を確立するまでに至りました。
振り返ると、ゼロからメンバーを採用できたので、自分の会社を創業したような感覚でしたね。
 
―どのようなことを重視して採用活動を行っていたのでしょうか?
 
須原:能力面もさることながら、メンタリティを重視しました。コーポレート機能をゼロから立ち上げる状態であり、「何も揃っていない状態を楽しめるか」を最も重要視しました。その点はかなりしつこく質問しましたね。おかげで、会社の基盤であるコーポレート機能を力強く支える、自律型の優秀な人財が集まってくれたと思っています。
 
―須原さん自身はそのような状態を楽しめていたのですか?
 
須原:はい。私はこれまで、会社を創業したり、困難な状況にある会社の支援を手掛けたりしてきたのですが、そういったリスクをとって挑戦してきた経験が活きたと思います。とはいえ、事業規模の大きな会社なので、多様なステークホルダーからの要求に応えるのは大変でしたし、前年の実績自体がない中で予算を立てたり、管理会計の仕組みを構築したりするのは苦労しました。チームのメンバーも本当に大変だったと思います。

地道な関係構築で一体感を醸成。より自律/自立した会社へ


―大変な時期を共に過ごした社員に対して、マネジメントする上で気を配っていることはありますか?

 
須原:はい。まず人には誰しも、感情や気分の浮き沈みがあります。その前提のもと、そういった状況をいち早く把握し、働きやすい環境を整えることが、チームとしての力を最大化することにつながると思っています。具体的には、雑談も含めて何でも話せる1on1ミーティングを頻繁に行うなど、コミュニケーションを密に取りながら、メンバーが気持ちよく働けるような環境の構築には気を配っています。
経営者が社員にどこまで寄り添うかは難しい問題ですが、組織を構成するのは数字ではなく、一人ひとりの社員なので、社員とともに歩むという考え方は非常に重要なことだと考えています。
 
―一方で、営業・マーケティングの部門との連携も構築する必要があったと思いますが、どのように進めたのでしょうか?
 
須原:役員も様々なバックグラウンドを持った方々だったので、いきなり阿吽の呼吸で、という訳にはいきません。まずは経営する上で共通言語を見つけていくことからのスタートでした。
それぞれの価値観や性格など、丁寧にすり合わせていくことが大切だと考えました。
 
―関係構築を進める上で大切にしていることは何ですか?
 
須原:これは、相手が役員であるかどうかに関わりませんが、私が相手と接する際に気を付けているのは、誰に対してもできるだけ公平でありたいということですね。相手の立場や部署によって言うことを変えるようなポジショントークをしないことは、厳に自らを戒めています。
一方で、自分がやりたいこと、正しいと思うことを粘り強く・しつこく伝えることも重要だと思っています。誰に対しても公平に接することが、それを受け入れてもらえる基盤になると思います。
 
仕事はお互い協力しないと成り立ちません。正論を言っても、聞いてもらえなければただの空論です。だからこそ聞いてもらう環境をつくることは重要だと考えており、そのための努力は怠らないことを心がけています。
 
―地道な努力を積み重ねてきたのですね。
 
須原:もちろん私だけの努力だけでなく、会社が自立していく過程で、お互いがより良い会社にしていこうという思いを持って努力したことで、オープンに様々なことを議論できる風土を醸成できたと思います。
そういった風土が基盤として存在することで、自律的な経営が可能になっていると思いますね。

ファイントゥデイの未来と、3年間ともに走り抜けた社員への想い


―須原さんの目線から、ファイントゥデイグループにはどのようなユニークさがあると思われますか?

 
須原:多くのお客さまに愛用いただいている、ユニークなブランド・製品群はもちろんなのですが、私は何と言っても人財こそがファイントゥデイの最大の強みだと思っています。
様々なバックグラウンドと高い専門性をもった社員が集まっていて、どのような課題に対しても、柔軟かつ高い水準で対応できる組織だと自信を持って言えますね。経営者として本当に心強いです。

入社式で新入社員に語りかける須原さん

―そのような組織を活かして、今後ファイントゥデイをどのような会社にしていきたいですか?
 
須原:この組織をもってすれば、現在標榜しているように、パーソナルケアの領域でアジア最高クラスの会社になることは可能だと思います。
それだけではなく、もっと長期を見据えた、ムーンショット的な構想も可能ではないかと思っています。
これは完全に個人的な思いなのですが、例えば、将来人類が宇宙での生活が可能になった時に、「宇宙で使われる日用品といえばファイントゥデイ製」、なんて状況になっていたら、こんなに素晴らしいことはないですよね。
 
―最後に、これまで共に頑張ってきた社員へメッセージをお願いします。
 
須原: まずは何をおいても感謝を伝えたいですね。創業後3年間という短期間で、ここまでしっかりとした会社組織を構築できて、きちんとした運用を実践できるまでになるには、本当に大変な過程を歩んできたと思いますし、皆さんの努力に心から感謝と敬意を表したいです。
もう一点伝えたいことは、「大いに自信を持ってほしい」ということです。繰り返しになりますが、創業からのこの短期間で、しっかりと自律的に経営できる水準にまで到達できたことは、他社の事例と比較しても、目を見張る成果です。自分たちが成し得たことに、改めて自信を持ってほしいですね。
 
我々を取り巻く経営環境が激しく変化する中で、今後も皆さんの力が必要です。これからもファイントゥデイをより良い会社とするべく、一緒に進んでいきましょう!

須原さんが大切にしている言葉・価値観

「自分が選択したことを正解にしていく」
公私ともに人生は選択の連続です。この選択は失敗だったのかもしれない、と後悔しても元には戻れませんし、そもそも何が正解だったかなんて誰にもわかりません。
そうであるならば、自分が選択したことに向き合い、とことん突き詰めることで、後からそれが正解だったと思えるように努力することが大切だと思っています。
人間関係で気を付けているのは、「人にしてあげたことはすぐに忘れる」、「人からしてもらったことは一生忘れない」ですね。相手に見返りを求めず、他者への感謝の気持ちを忘れずにいることで、より多くの人と信頼関係を築けると思っています。